東大寺に行ったら、大仏殿だけでなく、できれば周辺のお堂にも行ってみましょう。

特に、東大寺でも有名な二月堂はおすすめです。

二月堂は、毎年3月の「お水取り」の舞台として有名です。

二月堂は大仏殿の東側、急な斜面の上にあって、京都の清水寺みたいに「舞台造」になっています。二月堂の回廊(舞台)からの眺めは見事です。

京都の町並みとはまた違った、奈良らしいおおらかな景色を堪能してください。

 

二月堂へのルートは何パターンかありますので。そちらについてもお伝えします。

二月堂の見どころと二月堂へのルート

二月堂のご本尊

二月堂のご本尊様は、大小2体の十一面観音で、

「大観音(おおがんのん)」
「小観音(こがんのん)」

という名で呼ばれています。
この両方の観音様は、絶対の秘仏であり、修二会を行うために選ばれる練行衆と呼ばれる11人のお坊さんでさえも見ることは許されないそうです。

実物どころか写真も公表されていません。

大観音の「光背(こうはい)」だけは東大寺ミュージアムで公開されています。

二月堂の見どころ

修学旅行のメインスポットが大仏殿なら、大人の修学旅行のメインスポットは二月堂と言いたくなるくらい素敵なスポットです。

お堂の中には入ることはできませんが、南北の階段と、その先にある舞台(回廊)のみ、踏み入ることができます。

二月堂の舞台からは、東大寺の境内の屋根が見わたせるほか、奈良の街並みが見渡せます。

うれしいことに、二月堂は24時間 舞台(回廊)にはいれ、朝早く着いてしまった時も、夕焼けを待つことも、夜景や月を楽しむこともできます。

ちなみに二月堂の見学所要時間は、普通に見学して30分ほどです。

二月堂の舞台

派手でも大きくもありませんが、昼間の自然光が差し込むのどかな雰囲気には心が落ち着きます。

広大で雄大な奈良公園や東大寺の大仏殿を見渡すと、気分がすっきりします^^

二月堂 灯籠

舞台には、お堂のまわりをとりかこむようにして、大きな釣燈籠が並んでいます。いずれも信者さんたちが寄進したもので、夕刻になると、それらに灯りがともされます。

二月堂は、24時間、開放されているので、灯りのともった釣燈籠を堪能したいのであれば、ぜひ、夕刻以降に訪れましょう。

また、早朝の美しい灯りの灯った二月堂もおすすめです。

奈良公園に人は疎らで、鹿の甲高い声が響き、誰もいない静寂のお堂。

夜が明けて行く様もぜひ機会があれば。

二月堂の夕日

西向きなので、日没前の景色には感動します。

石段に刻まれた紋様

法華堂側の石段を利用する際には、足元の石段の表面に刻まれた紋様の数々

「唐草」「亀甲」「青海波」などもお見逃しなく。

二月堂 閼伽井屋

閼伽井屋(あかいや)は、鎌倉時代に建立された切妻造の建物で、国の重要文化財に指定されています。霊水の湧く「若狭井」の覆屋です。建物の周囲が榊と注連縄で結界されています。

二月堂良弁杉

良弁がまだ赤ん坊の頃に、「トンビ」にさらわれてしまった後、この杉の木に引っかかっているところを保護されたそう。
現在の杉は1961年に植えられた3代目の杉だそうです。

隣には小さな神社「興成神社」があります。

二月堂のわらび餅「龍美堂」

奈良はわらび餅の原材料となる わらび粉の名産地なので、わらび餅の名店が多いのだそうです。

わらび餅登場です。

二月堂まで登ったら「龍美堂」のわらび餅が待っています

黒蜜の中にふるふるの柔らかいわらび餅が入っています。わらび餅の上には抹茶ときな粉と砂糖がトッピング。

美味しいのです。

お店のカウンターで注文します。

お抹茶付きのセットです。880円

また、こちらの名物、「行法味噌」は、二月堂でお水取りという荒行をする際に僧たちが力を付けるために食べる秘伝の味噌なのだそうです。

ぜひ、二月堂からの絶景を楽しみながら、ゆっくりお茶してください。

二月堂茶所

二月堂の北側には「二月堂茶所」という休憩所があって、セルフサービスでお茶を飲みながら休憩できます。中にはお水取りで使われたたいまつが展示してあったり、お水取りの様子を録音した音声が流れていたりします。

二月堂へのルート

東大寺・二月堂へのアクセスは
東大寺の大仏殿から上がっていく行き方と、春日大社の方からの行き方があります。

春日大社にお参りしたあと、水谷茶屋、若草山を経由して行く方法(大仏殿はそのあとに行く)

春日大社に参拝する場合は、
春日大社→水谷茶屋→若草山→手向山八幡宮→二月堂→鐘楼→大仏殿→南大門
のルートがおすすめです。
水谷茶屋から階段を上がっていって若草山が見えた時も感動します。

ただ、二月堂でゆっくりしすぎると、大仏殿が閉まってしまった。なんてことにも。

東大寺大仏殿で奈良の大仏さまを見た後に行く方法春日大社に参拝しない場合は
東大寺参道を通り、南大門→中門→大仏殿→鐘楼→二月堂のルートがおすすめです。
鹿も人もお店もいっぱいのにぎやかなルートから二月堂はそのコントラストも楽しめます。

東大寺大仏殿の大仏さまを拝んだあとは、鐘楼の横を通り、ゆるい階段を登っていきます。
大仏殿から二月堂へのルートも3ルートあります。

おすすめは、二月堂裏参道と呼ばれるルートです。鐘楼の大きさも感じてほしいので、上りか下りかどちらか、また、途中で鐘楼の方へ行くことも可能です。

二月堂裏参道

裏参道は奈良県景観資産にも認定されています。
二月堂を下ったところにあります。土塀に囲まれ、すごく絵になる場所なので、スケッチをしている人がいつもいる場所です。

二月堂へのアクセス

一般的なアクセスは

徒歩で
近鉄奈良駅から30分
大仏殿前(中門)から7分

バスで
近鉄奈良駅から4分
JR奈良駅から7分
「東大寺大仏殿」・「大仏殿春日大社前」下車徒歩13分

春日大社からくる場合は、春日大社本殿前へ行くバスがおすすめです。

車で

駐車場はありませんので、県庁駐車場か春日大社駐車場がおすすめです。

※どちらも、行楽シーズンの休日は朝からいっぱいになりますので、ご注意を。

二月堂 三月堂 四月堂って

三月堂(法華堂)

四月堂(三昧堂)

二月堂 三月堂 四月堂と月がつく名前はそれぞれのお堂で行われる大きな行事の開催月(旧暦)から来ています。

一番有名なのは二月堂の「お水取り」(修二会、修二月会)。3月の行事ですが、旧暦の2月になります。
三月堂(法華堂)は旧暦3月に法華会(ほっけえ)が、
四月堂(三昧堂:ざんまいどう)は旧暦4月に「法華三昧会(ほっけさんまいえ)」が行われています。

拝観料は
二月堂:無料(回廊のみ)
三月堂(法華堂):500円ゆっくり仏像と向かい合えます
拝観料は500円と高めですが、国宝、重文仏像と盛り沢山です。
本尊不空羂索観音菩薩、梵天、帝釈天、金剛力士(阿吽)、四天王、執金剛紳(秘仏)の10躰。
日光・月光菩薩、弁財天、吉祥天、地蔵菩薩、不動明王の6躰は東大寺ミュージアムにうつっています。
四月堂:無料で拝観

仏像が好きな方は、二月堂と一緒に、三月堂 ・四月堂も拝観がおすすめです。

東大寺三月堂前にも、東大寺絵馬堂茶屋があります。