飛鳥時代(6世紀後半~7世紀)は、日本という国の形がつくられた激動の時代でした。

政治改革や仏教文化の発展、大陸文化の受け入れなど、日本の歴史が大きく動いた時代でもあります。

そして実は飛鳥時代は、多くの女性たちが活躍した時代でもありました。

女性天皇、歌人、皇女、そして日本最初の尼僧まで。

今回は飛鳥を彩った「飛鳥の女性」をご紹介します。

1. 日本初の女性天皇 推古天皇

推古天皇は、日本で初めて本格的に即位した女性天皇です。

593年に即位し、聖徳太子や蘇我馬子とともに国づくりを進めました。

冠位十二階や十七条憲法、遣隋使の派遣など、日本が国際国家へ歩み始めた時代のリーダーでした。

飛鳥文化が花開いたのも推古天皇の時代です。


2. 飛鳥の景観をつくった女帝斉明天皇

あすかの謎の石造物は斉明天皇のおかげ!?

斉明天皇は飛鳥時代屈指の行動派天皇です。

飛鳥には酒船石遺跡や水路遺構など、斉明天皇の時代に整備されたと考えられる施設が数多く残っています。

大規模な土木事業を進めたことから、

「飛鳥の土木女王」

とも呼びたくなる存在です。

現在の飛鳥の景観づくりに大きな足跡を残しました。


3. 日本初の本格的な都を完成させた女性 持統天皇

世界遺産候補「飛鳥・藤原の宮都」を語るうえで欠かせない人物です。

持統天皇は天武天皇の皇后であり、その後自ら天皇となりました。

694年には藤原京へ遷都し、日本初の本格的な都城を完成させます。

飛鳥時代の国づくりを完成へ導いた女性といえるでしょう。

持統天皇・鸕野讚良皇女(うののさららのひめみこ)は若い頃から天武天皇を支え、壬申の乱もともに乗り越えました。

その経験が後の強い政治力につながったともいわれています。

飛鳥時代の女性のたくましさを象徴する存在です。


4. 飛鳥を代表する歌姫 額田王

額田王は飛鳥時代を代表する女性歌人です。

『万葉集』には数多くの歌が残されています。

有名な歌

「茜さす 紫野行き 標野行き
野守は見ずや 君が袖振る」

は、1300年以上たった今も多くの人に愛されています。

飛鳥宮廷文化の華やかさを象徴する女性です。


5. 日本最初の尼僧善信尼

善信尼は、日本で最初に正式に出家した尼僧として知られています。

もともとは司馬達等の娘・島女と呼ばれていました。

蘇我馬子の保護を受けて出家し、「善信尼」の名を授かります。

当時の日本では仏教はまだ新しい宗教でした。

反対する勢力もあるなか、善信尼たちは仏教を守り伝えました。

その後、飛鳥寺建立へとつながり、日本仏教の基礎が築かれていきます。

飛鳥寺を訪れたら、ぜひ善信尼の存在も思い出してみてください。


6. 飛鳥最大の悲劇のヒロイン 十市皇女

十市皇女は天武天皇と額田王の娘です。

天智天皇の皇子 大友皇子(弘文天皇)の妃となりました。

しかし壬申の乱によって父と夫が敵同士となり、悲劇的な運命をたどります。

政治に翻弄された皇女として、今も多くの人の心を引きつけています。


飛鳥は女性が活躍した時代だった

飛鳥時代というと、

聖徳太子
中大兄皇子
天武天皇
蘇我馬子

など男性が注目されがちです。

しかし実際には、

・推古天皇
・斉明天皇
・持統天皇
・額田王
・善信尼
・十市皇女

など、多くの女性たちが歴史を動かしていました。

政治を支えた女性。

文化を花開かせた女性。

仏教を伝えた女性。

飛鳥の遺跡を巡るときは、

「この場所でどんな女性たちが活躍していたのだろう」

そんな視点で歩いてみると、飛鳥の風景がより豊かに見えてくるはずです。