霊山寺というと、バラ園のイメージが定着して、新しいお寺と思っておられる方もおられるのではないでしょうか?

霊山寺は天平8(736)年、聖武天皇の勅命で、行基が建立された古代以来の古い寺院なんです。

霊山寺(りょうせんじ)という名前は、バラモン僧の菩提僊那が釈迦の聖地のインド霊鷲山(りょうじゅせん)に地相が似ているところから名付けられたといわれています。

本堂は鎌倉時代後期の建築で国宝。
三重塔をはじめ、平安期の仏像など、重要文化財も多数あります。

広大な境内一杯に数々の新旧堂宇や施設があり、とても一時間そこそこでは全部を参拝したり拝観したりすることは不可能です。

また、霊鷲山の名前を由来にした寺院が日本国内に多数あり、有名な四国霊場第一番札所「霊山寺」は「りょうざんじ」と読みます。

今回は、霊山寺の見どころをご紹介します。

霊山寺の見どころ 国宝 重文の宝庫の所要時間は?

霊山寺の本堂は鎌倉中期(1283)に改築され、藤原時代作の薬師三尊像(重要文化財)など、優れた建築や彫刻を所蔵しています。

5月中旬から1ヶ月間と10月中旬から1ヶ月間美しく咲き誇る、約200種2,000株のバラが咲き誇る1200坪のバラ園が人気ですが、

他にも、立派な宿坊・日帰り入浴施設・ゴルフ打ちっ放し場・レストランなどがあります。

自然と緑が豊かで心癒されます。

お寺ですが、入口には大きな鳥居があります。これは本堂本尊とともにこのお寺の信仰の中心となっている弁才天をお祭りする聖域を示しているそうです。

バラ園は世界平和を願い、輪廻転生をテーマに昭和32年に開園されました。 奈良でバラを見るならお勧めの場所の一つです。

⇒霊山寺 バラ園の見ごろとカフェについてはこちらをご覧ください

霊山寺の所要時間は


霊山寺HPの地図を見てもわかるように、広い敷地に国宝重文建物6棟をはじめ、霊園から奥之院、バラ園、薬師湯、ゴルフ練習場といろんな施設があります。

所要時間は通常時は30~1時間程、奥の院は、お寺の中心部からは1キロ程度離れているので奥の院へ行くなら1時間半~2時間程

バラが咲いているときや、秋のバラ&特別公開時には、十一面観音さまなども拝することもできるので、+1時間は見ておきたいですね。
2時間~3時間は見ておきましょう。もちろん、温泉入る場合はその時間がプラスされます。

本堂(国宝)

鎌倉時代の代表的建物。弘安6年(1283)に改築。

本尊の薬師如来、脇侍日光・月光菩薩は春日厨子内にあり秘仏。

十一面観音立像、持国天、多聞天などの重要文化財を安置しています。

秋薔薇と秘仏宝物展(重文)と、秋の特別公開されます。

秘仏の本尊 薬師三尊像の御開帳とともに普段非公開の重要文化財の仏像や宝物の数々が本堂にて公開されます。

2018年の場合は、10月23日 ~ 11月11日 でした。

かつては20年に一度の開扉であったそうだが、現在は秋バラのシーズン2~3週間と正月3が日などに開かれるようです。
秋の日程は正倉院展の日程のあたりと覚えておけばいいようです。

特別公開等でないときも、本堂は外陣まで入堂できます。外陣安置の阿弥陀如来像、大日如来像、地蔵菩薩像、薬師三尊懸仏は拝観可能。また、内陣はライトをつけてくださっているので、距離は遠いが格子越しに十二神将像の姿を見ることができます。

特別公開期間は、もちろん本堂の内陣で拝観させていただけます。

本堂内陣正面の春日厨子(重文)を特別開扉

秘仏として祀られている本尊薬師如来坐像と脇待の月光菩薩立像、日光菩薩立像を公開。厨子の扉の内側には聖徳太子と行基菩薩の姿が描かれています。明治時代以前は20年に一度しか開かれなかったので、金色の色彩が鮮やかです。

本堂は霊山寺の拝観受付から南西に徒歩3分ほど離れた高台に位置しており、参道沿いからは石段などで上って頂く必要があります。

本堂へは、霊山寺の納経所・寺務所周辺からアクセスすることも出来ますが、入り口の鳥居から続く参道沿いに設けられた石段を上って参拝するのがおすすめとなっています。

三重塔・三重塔内壁画(重文)

弘安6・7年(1283・1284)頃の建立と推定される。鎌倉期の純和様式

各重中の間板扉、両脇の間連子窓、組物は華麗。

初重内部全面に巨勢金岡筆と伝わる極彩色の壁画(非公開)があるそうです。

三重塔初層特別開扉。 11月3日
内部壁画を拝観することが出来る一年に一回の機会。

鐘楼(重文)

細部の手法から室町初期の創建とされる。梵鐘は寛永21年(1644)の鋳造で、霊山寺の沿革と鋳鐘の由来を伝えた史的価値の高いもの。

日光・月光菩薩立像(重文)

本尊薬師如来坐像の脇侍である日光・月光菩薩立像は、こちらも古風な佇まいを見せる像高90センチほどの仏様であり、本尊と同様に大きな光背を有する姿が印象的な像となっています。両脇侍には、それぞれの左右の下端部に十二神将像が3体づつ描かれており、こちらも大変貴重な作例にもなっています。なお、公開時期は本尊と同じとなっています。

本尊薬師如来坐像・厨子(重文)(重文)

治暦2年(1066年)に造立された平安時代の仏像である本尊薬師如来坐像は、厨子(こちらも重要文化財)に納められた秘仏として滅多に公開されることがなかったこともあり、1000年前のものとは思えないほどに美しい状態を保つ仏さまとなっており、大きな光背を持つ一方、太めの佇まい・引き締まった表情という特徴を持ち、古式に則った造形美を感じさせる存在となっています。

地蔵菩薩立像(重文)

鎌倉時代の康元元年(1256年)に造立された地蔵菩薩立像は、光背・台座・錫杖なども含めて造立当初から変わらない佇まい
袈裟は、条の部分は截金による卍字つなぎ文様となっており、袈裟裏の見える部分については、緑青地に截金の笹蔓文様となっています。奈良を代表する地蔵菩薩の一つ。

十二神将立像(重文)

薬師三尊のそばに本尊を守護する形で設けられている十二神将立像は鎌倉時代に造立された仏像となっており、12体がまるで何かのフィギュアであるかのように高さの異なる台座に重なり合うように並べられており、激しい怒りを見せるその表情などはどこかコミカルな雰囲気を感じさせる存在。

持国天・多聞天立像(重文)

十二神将像と同じく本尊を守護する形で設けられている持国天・多聞天立像は、鎌倉時代後期の弘安年間に造立された仏像。

毘沙門天立像(重文)

12世紀頃の造立と考えられる像高70センチほどの小さな毘沙門天像。
拝観は特別公開時のみ可能。

薬師三尊懸仏(重要文化財)せん仏三尊像(重文)

かつては秘仏であったご本尊の代わりに厨子の前で参拝することができる「前立仏」として設けられた薬師三尊懸仏。
南北朝時代の貞冶5年(1366年)の造立となっており、重要文化財にも指定される日本における懸仏の代表的な存在の一つ。

阿弥陀如来坐像(重文)

平安時代後期に造立された阿弥陀如来坐像は、かつては「阿弥陀堂」のご本尊であったもの。

大日如来坐像(重文)

阿弥陀如来と同じく平安後期の造立と考えられる大日如来坐像は、こちらもかつての「大日堂」のご本尊であったものとなっています。像には唐草文をモチーフにした胸飾りも付けられており、飾りに据え付けられたガラス玉などは少し珍しい存在となっています。

十一面観音立像(重文)

平安時代初頭、9世紀頃に造立されたと考えられる十一面観音立像は、「檀像」と呼ばれる彩色を基本的に行わない形式の像となっており、頭部が著しく大きく、その他が小さく見えるという独特の姿も含め、神秘的な雰囲気を強く感じさせる霊山寺を代表する仏像の一つとなっています。十一面観音は秋季の特別公開時のみ見れます。
過大の頭部と圧縮された胴の比、不釣合いな細かい両腕などアンバランスの体型が特色である。

奥の院

奥の院はかつて弘法大師が霊山寺に滞在された際に感得された「大龍神」を辯才天として長らくお祀りしてきたそうです。

他にも、鎮守十六所神社(重文)・行基菩薩坐像・婆羅門僧菩提僊那坐像などもあります。

交通アクセスと駐車場 徒歩でも行けるの?

近鉄 富雄駅から 徒歩30分ですので、歩けないことはないです。
奥の院まで回るよう邸の場合は、境内だけでも結構歩くので、霊山寺と駅はバスの利用をお勧めします。

バスを利用する場合は、東改札、徒歩の場合は西改札がおすすめです。

若草台行き奈良交通バス「霊山寺」下車 徒歩1分

またはタクシー8分

駐車場 無料:大型バス10台、乗用車120台

拝観時間 本堂 10:00~16:00
バラ園・境内 08:00~17:00

バラ園が有名ですが、本堂や十一面観音立像など見どころ豊富です。特に秋の特別公開は見逃せません!!