桜の名所といえば吉野山と出てくるくらい、吉野山は全国的に、世界的に有名な桜の名所です。

吉野山の桜は大峯連山の北の端から南に約8km続く尾根一帯を指し、シロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集していて、中千本が見ごろの時期は圧巻です。

山全体の桜が下千本・中千本・上千本と咲いていく群桜のイメージが強く、枝垂れ桜などのイメージがありませんが、桜本坊の夢見桜や竹林院群芳園の天人桜など歴史を感じるいわれのある枝垂れ桜もあります。

枝垂れ桜は、メインとなるヤマザクラと開花時期も少しずれるので、観光客が比較的少なく、ゆっくり桜を楽しむこともできます。

ここでは、吉野山の枝垂れ桜の桜の名所をご紹介します。


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吉野山の枝垂れ桜 夢見桜や天人桜の見ごろは少し早いの?

吉野山の山桜の見頃

一般的に吉野山の山桜は
山のふもとから、下千本・中千本・上千本・奥千本と咲いていきます。

吉野山の山桜の見頃は、その年のお天気によって変わりますが、

下千本:4月6~10日

中千本:4月8~12日

上千本:4月10~15日

奥千本:4月15~20日

といわれています。

滝桜や布引の桜などの桜群は中千本が満開で上千本が見ごろの時が一番素敵なので、4月10日を中心に日程を決めるのがおすすめです。

が、吉野山には山桜以外にも数百種類の桜が存在します。

1本だけで存在感があり、吉野の歴史と深く関わっている枝垂れ桜もあります。

開花の時期がヤマザクラよりも一週間は早い為三月の終わり~四月初頭頃には見頃を迎える事が多いです。

他にも、戸開け桜と呼ばれる4月中旬以降に咲く遅咲きの枝垂れ桜もあります。

吉野山の夢見桜の見頃

吉野山の桜本坊には大海人皇子(天武天皇)が夢に見た桜があるんです。

桜本坊の境内にある、しだれ山桜で一重の美しくしとやかな桜です。

冬の夜に桜花爛漫の夢を見、翌朝起きてみると吉野山でこの桜1本だけが咲いており、これは吉兆と占い、その後壬申の乱に勝利した天武天皇が、この桜木の下に寺を建てて桜本坊としたそうです。

桜の吉夢のご縁で天武天皇建立、天武・持統帝の勅願寺

例年、3月下旬が見頃の早い桜です。

上千本エリア
吉野山1269
拝観料:大人400円(特別ご開帳中は600円)
拝観時間:8時30分~16時
重要文化財:釈迦如来坐像・役行者倚像・地蔵菩薩坐像

吉野山の天人桜の見頃

聖徳太子の創建と伝わる竹林院群芳園の奥の庭
群芳園は千利休が作庭し、細川幽斎が改修したといわれ、 大和三庭園のひとつにもなっています。

太閤秀吉が立ち寄られた際植えられたと云われ、紅と白の中間の花が咲く紅枝垂れ桜です。

吉野山では最も長寿の老木といわれています。

例年は4月下旬が見頃の遅い桜です。

聖徳太子の創建と伝わる寺院

上千本エリア
吉野山2142
拝観料:400円(群芳園)
拝観時間:8時~17時(年中無休)

吉野山の勝手桜の見頃

勝手桜は中千本の勝手神社裏にある高さ10mもの老桜。
後方の袖振山は、大海人皇子(のちの天武天皇)が社前で琴をかなでられたとき、天女が袖をひるがえして舞ったという伝説で知られています。

残念ながら、社殿は2001(平成13)年に焼失しています。

勝手桜は枝垂江戸彼岸桜とシロヤマザクラの自然交配によるもの。

明治のはじめ、地元の大工職が竹林院の奥庭の一角にあった天人桜と称せられた枝垂江戸彼岸桜の巨樹付近に変わった桜の一株を見つけて、勝手神社の裏山に献植したものといわれる。

中千本エリア

吉野山の多宝桜の見頃

蔵王堂を後に上千本の方に
しばらくいくと東南院があります。

東南院は役行者の開基と伝えられ、1300年の歴史を持つ寺院。
その東南院の多宝塔と塀の間にあり、道沿いにまでその枝を延ばしている桜が多宝桜と呼ばれ、美しい一重の枝垂れ山桜です。

四月初旬が見頃です。

中千本エリア
吉野山2416
県指定文化財:木造大日如来坐像

吉野山の太閤桜の見頃

太閤桜は奥千本の金峯神社にあります。
太閤秀吉の大花見会の時、秀吉はここまで来て祈願し、大阪より持参した千本の桜の苗木をここに植えたといいます。この太閤桜はカスミ桜の品種で、白色で高木。

見頃は四月中旬過ぎ。

吉野山の戸開け桜の見頃

後醍醐天皇を祀るために、明治時代になって宮内庁が建立した神宮

吉野神宮の桜は、遅咲き種の桜で通称「戸開け桜」が有名ですが、枝垂れ桜もおすすめです。
4月下旬

吉野山3226
拝観時間 午前8時30分~午後5時

吉野山の枝垂れ桜 如意輪寺の見頃

有料の庭園内では綺麗な多宝塔と共に美しい枝垂れ桜が花を咲かせます。

如意輪寺の拝観時間は8時から17時/境内は立ち入り無料。

中千本全景の桜の見頃は、概ね4月8日前後。
如意輪寺庭園内の枝垂れ桜は、三月終わり頃から4月初め頃が見頃。

庭園は400円。

吉野山の水分神社の桜の見頃

桜に名前はついていませんが、大花見会の時、秀吉がここで祈願し、秀頼を授かったとか。

歴史ある神社の風情と桜の美しさを味わえます。

4月中旬

吉野山1612
国宝:木造玉依姫命坐像
重要文化財:吉野水分神社社殿、木造天万袴幡千幡姫命坐像

吉野山の枝垂れ桜の見頃のまとめ

枝垂れ桜(シダレザクラ)は山桜より早いもの、山桜が終わった遅咲きのものと、種類もいろいろあります。

早咲きのもの(3月終盤~4月初旬頃):夢見桜、東南院、如意輪寺、水分神社、嵐山

遅咲きのもの:竹林院、吉野神宮

吉野山の枝垂れ桜のマップ

一生に一度行ってみたい桜の名所として人気ですが、なかなか花の盛りに行けないものです。そんな時、吉野の歴史を感じながら枝垂れ桜を楽しむのもおすすめです。

吉野山から車で40分(渋滞がない場合)ほどのところに、
千本しだれ桜で人気の天空の庭 高見の郷もあります。

⇒天空の庭 高見の郷についてはこちらの記事をご確認ください