率川(いさがわ)神社はのゆり祭りは、6月16・17・18日に行われます。

正式名称は三枝祭(さいくさのまつり)というそうです。
ささゆりの花は古名を「さいくさ」と呼ばれたことから、この名前で呼ばれるのようです。

『大宝律令』で国家の疫病除けの祭祀として定められた、歴史のあるお祭りです。

率川神社は奈良市の最古の神社で、大神神社の摂社になります。

率川神社のご祭神は媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)です。

媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)は初代天皇神武天皇の皇后(初代皇后)です。

率川神社のゆり祭り

率川神社のゆり祭り 三枝祭(さいくさのまつり)は毎年6月17日に開催されます。

701年に制定された「大宝令」にも規定されている祭祀で、

率川神社のご祭神の媛蹈五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)が三輪山麓、笹百合が咲き誇る狭井河近くにお住まいになられていた故事により、三輪山の笹百合(古名:さいくさ 三枝)の花で白酒・黒酒の酒樽を飾り、巫女たちによる神楽が奉納されます。

三島由紀夫が「奔馬」(豊饒の海・第2巻)の中で「これほど美しい神事は見たことがなかった」と言わしめた優雅な舞です。

国が行う疫病除けの祭典として重んぜられた三枝祭は、平安時代には宮中からの使いが御供えの幣物や神馬を献上するなど、非常に丁重な祭祀が行われましたが、後世いつの間にか中絶していたのを明治十四年再び古式の祭儀に復興され、今に続いているようです。

率川神社のゆり祭りの日程と見ごろ

例祭日  6月17日

普段は静かな境内もこの日ばかりは氏子や観光客であふれかえります。

午前10時30分 三枝祭(ゆりまつり)
午後1時15分 七媛女(ななおとめ)・ゆり姫・稚児行列安全祈願祭
引き続き市内巡行(約2時間)

宮司の祝詞奏上、神饌のお供えなどに続いて、
1番のクライマックス、ささゆりの花を手にした巫女4人による「うま酒みわの舞」の奉納。
大神神社の20人余の巫女の中から毎年4人が選ばれるそうです。
三枝祭はまさにささゆりの美しさに彩られた祭典です。
神事はほぼ1時間。

午後からはご祭神の五十鈴姫命に扮した女性を中心に、七媛女・ゆり姫・稚児と花車の時代行列が街中を巡行します。
七媛女の綺麗な古代衣装も見所の一つです。

宵宮祭  6月16日

午後3時 宵宮祭

6月16日に、本社の大神神社から御神花のささゆりを率川神社に届ける「ささゆり奉献神事」が執り行われます。

大神神社での祭典後、ささゆりを駕籠に納めてJR三輪駅から万葉まほろば線に乗車しJR奈良駅へ。

JR奈良駅からは黒漆塗りの花車に御神花を移し替えます。そしてささゆりで飾った菅笠に百合を描いた浴衣姿の踊りの社中が「ささゆり音頭」を踊りながら花車を先導して、奉献の行列は奈良市街を賑やかに進みます。最後に率川神社にささゆりを届け、献花の祭典が行われます。

午前 9時半 奉献神事道中安全祈願祭(於、大神神社)

午前11時頃 桜井からの列車到着後、笹百合を花車にのせてJR奈良駅前から率川神社に向けて行列出発

午後12時半頃 率川神社に到着後、ささゆり奉献奉告祭

後宴祭  6月18日

午前10時 後宴祭
午後4時頃 奉納演芸開催

率川神社って

奈良市の「やすらぎの道」沿いに建つ『率川神社(いさがわじんじゃ)』。正式名称は「率川坐大神御子神社」といい、桜井市の大和国一之宮「大神神社」の摂社として、593年に大三輪君白堤によって創建された、奈良市内で最も古い神社です。

神武皇后の「姫蹈鞴五十鈴姫命(ヒメタタライスズヒメ)」を主祭神とする珍しい神社で
古くから女性の神として信仰を集めてきました。

姫蹈鞴五十鈴姫命を中央に、その脇に父母の神「玉櫛姫命(御母神)」「狹井大神(御父神)」を祀っていることから、「子守明神」とも呼ばれ、安産・育児などの神としても知られています。

率川神社の境内にあった「蛙石(別名:撫で蛙)」。カエルは多産のため、繁殖力、再生、裕福のシンボルとされ、参拝者はこの蛙石を撫でてご利益を願うのだそうです。

率川神社のゆり祭りと三島由紀夫

大神神社・祈祷殿から摂社の狭井(さい)神社に至る静かな参道沿いに三島由紀夫の石碑が建っています。

碑には氏の揮毫による「清明」という文字が刻まれています。その横の説明には、
率川神社のゆり祭りに昭和41年にゆり祭りに参列したことが書かれています。

ゆり祭りのゆりはどこから

ゆり祭りのゆりは大神神社のゆり園から来ていると思っていたら、宇陀市菟田野の大神地区の方たちがささゆりを集め、裏方として祭りを支えてくれています。

ささゆりはゆり根が猪や鹿の好物で数が減少しているうえ、温暖化で開花が早まるなどさまざまな苦労があるようです。

大神地区は宇陀市南部の山間部に位置し、地区では大神神社に農作物を奉納しており、地区の神社 神御子美牟須比命神社の祭典には大神神社の神職が参列するなど関係が深いです。
ゆりまつりに使うササユリも、地区の人たちが総出で集めて毎年神社に奉納しており、それは、戦前から続いているそうです。

神御子美牟須比命神社  みわの みこ みむすひめ神社

神御子美牟須比命神社は大神地区にあり、名前からわかるように、大神神社境外摂社です。
宇陀郡菟田野町大神281

祭神は
玉櫛姫命(たまくしひめのみこと)   御母神。
媛蹈鞴五十鈴姫(ひめたたらいすずひめ)御子神。
狭井大神(さいのおおかみ)      御父神。

ゆりまつり(三枝祭)が行われる、大神神社の摂社、率川神社(いざがわじんじゃ)と全く同じ祭神を祀っています。

率川神社 いさがわじんじゃ 基本情報

奈良市本子守町18番地
主祭神: 玉櫛姫命(御母神)、姫蹈鞴五十鈴姫命(御子神)、狹井大神(御父神)
古くから「子守明神」とも呼ばれ、安産、育児、生育安全、家庭円満の神様として県内外から篤い信仰がよせられています。
創建: 593年
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から徒歩10分
駐車場:無料駐車場5台程度
駐車場が境内西側にあり、東側のやすらぎの道から入って、手水所と拝殿の間を通って行きます。
HP: http://www.isagawa-jinja.jp/index.html