奈良の慈光院は一般的な観光ルートからは外れているため観光客も少なく、重要文化財の書院でお抹茶をいただきながら、お庭を眺め、ゆっくりとした時間を過ごせるので、おすすめのスポットです。
私が、伺ったときは、一人でゆったりお抹茶とお菓子をいただけました。
また、ご住職さまのお話もいろいろ聞くことができました。
慈光院は敷地全体が一つの茶席として造られた珍しい寺院で、茶道石州流の祖の演出そのまま三百年を越えて眼にすることができる貴重な空間です。
慈光院の庭園は、吉野山の竹林院群芳園と當麻寺中之坊の香藕園と大和三名園と言われています。
5月下旬から見られるサツキ。
秋の中秋の名月には観月茶会が催されます。
観月会の時は、国重要文化財の書院の席で、月を見ながら石州流のお点前で一服でき、この時は何百人とお客様が来られるそうです。
青垣の真ん中の窪みから満月が昇るそうです。
慈光院では温かい「慈恩(じおん)そば」や、夏場は「石州麺」も頂くことができます。
予約をしておけば、奥座敷では精進料理を味わうこともできます。
ただ、人にあまり教えたくないスポットです^^
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奈良の慈光院で抹茶と庭園を堪能
奈良の慈光院(円通山)は
お寺らしくなく、お寺全体が茶席のようなお寺です。
表の門や建物までの道、境内全体が一つの茶席として造られています。
茶の湯で人を招く場合に必要な場所ひと揃え全部が、一人の演出そのまま三百年を越えて眼にすることができる貴重な場所です。
奈良の慈光院は茶道石州流の祖
慈光院は江戸時代前期、寛文3年(1663年)に、大和小泉藩主で茶道石州流の祖の片桐定昌(石州)が、父・貞隆の菩提寺として創建しました。
初代住職は京都の大徳寺 185代目の住職である玉舟和尚(ぎょくしゅうおしょう)。
慈光院の名は父の法名「慈光院殿雪庭宗立居士」から採られたそうです。
拝観料金(1,000円)には、お抹茶代も含まれています。
慈光院の片桐石州って
片桐石州は、四代将軍の徳川家綱や水戸光圀に茶の湯を教え、「茶道石州流」の開祖となる方です。
京都「大徳寺」や奈良県葛城市の「当麻寺中之坊」の茶室も作っているのだそうです。
石州の茶の教えは、武士の間へと広がっていき、徳川4代将軍の家綱をはじめ各地の大名の多くが学ぶようになったといわれています。
慈光院は、
茶人である片桐石州の美意識が結集した設計で、茶席に必要な施設で寺院が構成されています。そのため、現在まで寺院にある建物の配置は変わることはなく残され続けてきました。300年前に活躍した茶人の美意識を現代に伝えている貴重な場所です。
書院では抹茶と和菓子をいただきながら、庭の風景を楽しむことができます。和菓子は、片桐家の家紋の形をしています。
「落雁」おいしいかったです^^
座ってお庭を眺める際により落ち着けるように、あえて天井や鴨居を低めに作ってあるのだそうです。
表の門や玄関までの道、座敷や庭園、そして露地を通って小間の席という茶の湯で人を招く場合に必要な場所の一揃えが石州の演出そのままに残されています。
本堂の脇のちょっとしたなど、隅々が美しいです。
二つあるお茶室はともに需要文化財です。
慈光院の庭園 手水鉢もお見逃しなく
大和三名園の一つの庭園。
禅寺の庭園といえば、石を使った枯山水が多いと思いますが、慈光院のお庭はきれいに刈り込まれた植栽が中心となります。
白砂が敷かれた庭園には様々な種類の木が植えられており、四季折々の景色を楽しむことができます。
さつき1種類の丸い刈り込みと数十種類の木々の寄せ植えにした刈り込みを用い、周囲の風景・景観と調和されるように構成されているそうです。
季節によっては椿・サツキ・つつじ・さざんかなどが咲き、目を楽しませてくれるのだとか。
慈光院の手水鉢
書院からの庭園の眺めも素晴らしいですが、
お庭にある手水鉢(ちょうずばち)も重要文化財に登録されているのだそうです。
東のお庭の片隅に「角ばらず」手水鉢。
大刈り込みの手前に「独坐」手水鉢。
閑茶室前に「女の字」手水鉢。
他にも水戸光圀から贈られた手水鉢もあるのだとか!?
慈光院の石州麺って
片桐石州侯が客人をもてなす懐石料理のために考案した「石州麺」は「油不入素麺」。
奈良の伝統料理を研究していた料理研究家・奥村彪生氏らが古文書等から存在を発見し再現したもので、秋田名産の稲庭うどんの元祖ともされています。
この素麺は油を使っていないのが特徴で、江戸時代初期からおいしい素麺として有名だったそう。
慈光院では、温かい「慈恩(じおん)そば」や、夏場は「石州麺」が予約なしでいただけます。料金は税込1,000円。
そばやそうめんと一緒に、慈光院で採れた無農薬野菜を使用した料理も提供されます。
前日の昼過ぎまでに予約をすれば、精進料理を食べることができます(税込3,800円または6,300円)。
中でも、玉ねぎを丸ごと3~4時間煮込んだ玉ねぎの丸煮は慈光院の名物とです。
慈光院 アクセス
駐車場もあり、JR大和小泉から20分ほどで歩けるので、奈良の観光地としては特にアクセスが悪いわけではありませんので、機会があれば是非
電車のアクセス
JR線大和路線 「大和小泉」駅下車 徒歩18分
近鉄橿原線「近鉄郡山駅」駅から奈良交通バス
近鉄郡山駅からは法隆寺行きバス(約20分)、もしくは小泉駅東口行きバス(約25分)で「片桐西小学校」まで380円です。徒歩5分
どちらもバスの本数が1時間に2~3本と少なくなっていますので、お気をつけください。
車のアクセス
西名阪自動車道
「大和まほろばスマートIC」から北北西へ10分
「法隆寺インター」から北北東へ15分
第二阪奈道路
「中町ランプ」から南へ15分
慈光院の駐車場
この細い坂を上がったところに駐車場があります。
9号線沿いに大型バスの駐車場があります。
近くの駐車場に上がる坂道がちょっと心配という方は、こちらにとめてもいいかもしれませんね。
大阪駅からの行き方
奈良行きのJR大和路快速に乗って大和小泉(やまとこいずみ)駅で下車します。
所要時間は乗り換え時間も含めて約1時間、料金は710円。
JR大和小泉駅から慈光院までは徒歩約20分、もしくは近鉄郡山駅行きバスで「片桐西小学校」まで約5分。
京都駅からの行き方
近鉄京都線で橿原神宮前(かじはらじんぐうまえ)行き急行に乗り、近鉄郡山駅で下車します。所要時間は約50分、料金は690円。
慈光院の法隆寺など周辺の見どころ
慈光院は「あじさい寺」ともいうあじさいの美しい矢田寺(やたでら)、日本最古の厄除け寺である松尾寺(まつおでら)も近くです。
意外と法隆寺、中宮寺、日本最古の三重塔が残る世界遺産の法起寺(ほうきじ)も近いです。毎年10月中旬~11月上旬はコスモスの見頃です。
また、近鉄郡山へのバスは、薬師寺・唐招提寺経由して奈良に行くものもあります。
慈光院の所要時間
規模的には広くないので、お茶をいただいてほっこりして30分くらいでも、大丈夫ですが。本当にゆったり心地よい気分にさせてくれるので、1時間は見ておきたいですね。
住職さんがおられたら、いろんなお話も聞かせていただけます。
慈光院の見どころ
奈良県大和片桐且元の茨木城から貰い受けた楼門。
書院
開山玉舟宗坂の書で「聚遠」
お茶を楽しみに遠方からでもいらっしゃいという意味らしいです。
本堂は1984年に建てられたもので、
中央ご本尊は釈迦如来坐像。
右に開山玉舟和尚、
左開基片桐石見守貞昌 (石州) が祀られています。
天井の前田青邨門下の入江正巳画伯作の墨絵雲龍図も素晴らしいです。
もちろんお庭にも下りられます。
小さなお堂やお社があったりしますので、ゆっくりと一周しておきましょう。
お庭側から眺める書院も、趣があります。
高台に観音堂
小さな池に小さなお社。
お稲荷さんも祀られています。
慈光院 基本データー
HP: http://www1.kcn.ne.jp/~jikoin/
住所: 奈良県大和郡山市小泉町865
電話: 0743-53-3004
山号: 円通山 (えんつうざん)
寺号: 慈光院 (じこういん)
宗派: 臨済宗大徳寺派 (りんざいしゅうだいとくじは)
開基: 片桐石見守貞昌 (片桐石州)
開山: 玉舟宗坂 (大徹明應禅師)(ぎょくしゅうそうばん)
開創: 寛文三年 (1663年)
本尊: 釈迦如来坐像
拝観料:1,000円(お抹茶代を含む)
拝観時間:9:00-17:00
駐車場:無料駐車場あり(普通車25台分)
最後に
奈良の大和郡山にある慈光院は、とても素敵です。
抹茶とお菓子もおいしいですし、
京都のように人であふれかえっていることもありません。
さらに、稲庭うどんのもとになった石州麺を食べることもできます。
住職さんが
至る所に不思議なところがあるんです。昔は、招待された人が時間をかけておみえになる。お招きしたからには、お茶を一杯さしあげて、じゃあ帰ってくださいというわけにはいきませんよね。だから、この建物全体を使って、招待客をどうやってもてなそう?それを考えつくして建てたんだと思うんです
と、おっしゃるように楽しみ方もいろいろあります。
京都じゃありえない静けさのなか
奈良にはまだまだ、古都の趣を堪能できるところがあります。