6月8~7月28日は
北海道近代美術館で北海道初公開中です

京都国立近代美術館で開催されていた、東山魁夷展に行ってきました。

あまりのすばらしさに感動して、涙が出てきそうでした。

特に、道は
過去をおおらかに、現在をあたたかく・未来を優しく見守ってくれているように思いました。まるで仏様の前にいるような感覚です。

東山魁夷展は
生誕110年を記念し、戦後の日本を代表する国民的画家と謳われた東山魁夷の画業を代表作でたどるとともに、東山芸術の記念碑的大作「唐招提寺御影堂障壁画」が特別出品。

唐招提寺の御影堂障壁画を今まで見たことがなかったことに、奈良県民としては大反省でした。

唐招提寺御影堂障壁画はいつでも見られるのでしょうか?

奈良をテーマにした絵画は他にどういったものがあるのか、

それらはどこで見られるの?

また、

気になることがいっぱいになったので、調べてみました。

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東山魁夷の唐招提寺の襖絵はいつでもみられるの

唐招提寺の東山魁夷の襖絵は国宝の鑑真和上坐像が奉安されている御影堂のふすまに描かれています。

東山魁夷の唐招提寺の襖絵の特別公開

御影堂は、年に3日間だけ、御影堂の国宝鑑真和上坐像と東山魁夷の障壁画が公開されます。

御影堂の特別公開では東山魁夷の襖絵は至近距離でゆっくり見ることができ、東山魁夷の襖絵に包まれた、国宝鑑真像も間近で見られます。
また、坐像を収めた厨子の扉絵「瑞光(ずいこう)」も東山魁夷の作です。

通常は、鑑真の命日である6月6日を含む、6月5日~7日に鑑真和尚御影堂は特別開扉され、その3日間のみ東山魁夷の障壁画も公開されます。

ただし、御影堂は平成27年から平成大修理事業に着手し、約5年は拝観できません。平成33(2021)年頃まで掛かる予定のようです。

鑑真和上坐像と東山魁夷の襖絵を一緒に見られるのは、早くて平成33年の6月5日~7日になるのでしょうか?
わかり次第更新します。

※鑑真和上坐像は新宝蔵に遷座され、6月5日~7日は新宝蔵で開扉されています。

東山魁夷の唐招提寺の襖絵

鑑真和上坐像が安置される御影堂内の襖絵は

日本を代表する画家、東山魁夷画伯が、10年を超える歳月をかけ、鑑真和上に捧げた大作です。

鑑真和上が視力を失い、見ることのできなかった日本の風土をテーマとして、色鮮やかに描かれた「山雲(さんうん)」「濤声(とうせい)」

鑑真和上が懐かしく思う、故郷中国の壮大な風景「揚州薫風(ようしゅうくんぷう)」「黄山暁雲(こうざんぎょううん)」「桂林月宵(けいりんげっしょう)」は墨一色で描かれています。

なんでも、墨は明の時代の墨も使われたようです。

東山魁夷の唐招提寺の襖絵へのアクセスは

当分、東山魁夷の襖絵は唐招提寺では見られませんが
唐招提寺の最寄り駅は近鉄 西ノ京駅で下車 徒歩8分です。

JR 奈良駅からは 六条山行バスで17分 「唐招提寺」下車すぐです。

唐招提寺は駐車場もあります

駐車場:150台
料金
乗用車:500円
二輪車:100円

東山魁夷と平山郁夫が奈良で

東山魁夷と平山郁夫
どちらも、日本を代表する画伯ですが、
唐招提寺と薬師寺と近くにある、2つのお寺で見ることができるんです。

平山郁夫は薬師寺での公開時期

薬師寺には、
平成12年(2000)12月31日に平山郁夫画伯が入魂された、玄奘三蔵求法の旅をたどる「大唐西域壁画」があります。

大唐西域壁画は、玄奘塔北側にある大唐西域壁画殿にあります。

公開期間は
1月1日~1月15日
3月1日~6月30日
8月13日~8月15日
9月16日~11月30日

通常はガラス越しでしか拝観する事はできません。が、公開期間の毎月5日の13時『玄奘三蔵縁日』の御法要が行われ、
その約10分間だけ、ガラス越しでは無い大唐西域壁画を拝観できるそうです。

東山魁夷の唐招提寺の襖絵は再オープンした時も多分6月の3日間の公開になると思います。

平山郁夫の壁画も特別公開の時だけになりますので、6月には両方の画伯の絵を見ることができる貴重な機会があるんですね。

東山魁夷の白い馬と唐招提寺の関係

東山魁夷といえば白馬のいる風景を思い浮かべる方も多いと思います。

が、白い馬は、昭和47(1972)年の1年間しか描かれていないモティーフだそうです。

この年は東山は、奈良の唐招提寺から依頼された鑑真和上像を祀る御影堂の障壁画制作にあたり、まず唐招提寺と鑑真和上の研究を1年かけて行っていた時期だそうです。

その時の絵画には、どのような風景を描いてもそこに小さく、ひかえめに白馬が姿を見せるようになったといいます。

図録の説明によると

「ある時、一頭の白い馬が、私の風景の中に、ためらいながら、小さく姿を見せた。すると、その年(1972年)に描いた18点の風景の全てに、小さな白い馬が現れたのである。白い馬は、たとえ協奏曲ならば、独奏楽器による主題であり、その変奏である。協奏する相手のオーケストラは、ここでは風景である。白い馬は風景の中を、自由に歩き、佇み、緩やかに走る。しかし、いつも、ひそやかに遠くの方に見える場合が多く、決して、前面に大きく現れることはない。この小さな白い馬の出現は、私にとって思いがけないことである。一切の点景を排した風景を描き続けてきた私であるし、人もそれを私の特色と思っているに違いない。」

「絵を描くことは祈り」と悟って以後の作品に白馬が描かれることはなく、この1年間の作品だけだそうです。

東山魁夷 生誕110年展は東京でもあります

10月24日~12月3日の日程で、東京・国立新美術館でも開催されます。

長野の東山魁夷館は?

また、東山魁夷展を見られた方の多くは、唐招提寺の他に、長野の東山魁夷館にも行きたいと思われると思います。

こちらも、2017年5月31日(水)から改修工事に入っており、谷口吉生さん設計の東山魁夷館は2019 年秋にリニューアル・オープン予定となっています。

が、隣接する信濃美術館は建て替えで、東山魁夷館や善光寺などとの関係に配慮した
「つながる美術館」として設計されているようです。
信濃美術館 ( 本館 )・城山公園 ( 噴水公園 )は2021年の善光寺の7年に1度の御開帳に合わせてオープン予定のようです。

東山魁夷の奈良の絵

今回の展示会でも発表されていた、東山魁夷の「京洛四季」は川端康成の進言でうまれたそうです。

川端康成が「京都は、今描いていただかないと、なくなります。京都のあるうちに、描いておいてください」

といわれたそうです。

調べると奈良を描いた大和春秋もあるのですね!!要チェックです
⇒東山魁夷のカレンダーや作品集はこちら

⇒大和春秋についてはこちらにまとめています