浄瑠璃寺は、吉祥天女像でも人気ですが、本堂内に横一列に安置されている9体の像から九体寺とも呼ばれます。
西国49薬師霊場第37番
住所は、京都府木津川市なので、京都のお寺なのですが、南都の文化圏であり、奈良からのアクセスもいいので岩船寺も合わせてご紹介します。
浄瑠璃寺には、
浄瑠璃寺本堂
浄瑠璃寺三重塔
九体阿弥陀如来像
四天王像
と、国宝だけでも、これだけあります。
他にも、特別公開でしか見られない秘仏として、
薬師如来像や吉祥天女像といった重要文化財もあります。
浄瑠璃寺の庭園は特別名勝に指定され、
梵字の阿字をかたどった池を中心にして、東に薬師仏、西に阿弥陀仏を配した庭園は極楽世界をこの世に表わしたものなんだそうです。
秋の紅葉の時は多くの方が訪れますが、近くの岩船寺のあじさいの時期は青紅葉も素敵なのに、人も多くなくおすすめです。
浄瑠璃寺の寺名は薬師如来の居所たる東方浄土「東方浄瑠璃世界」に由来するそうです。
浄瑠璃寺の吉祥天女像の特別公開
浄瑠璃寺の吉祥天女像は国宝の本堂の九体阿弥陀仏〈国宝〉とともに祀られている艶麗な天女像です。
浄瑠璃寺の吉祥天女像は「一度は見たい日本の秘仏5選」の1つにも選ばれており、鎌倉時代に造られたもので、彩色もきれいで、白い肌の色と華やかな文様のコントラストがキレイです。
像高90cmとそれほど大きくはありませんが、引き付けられます。とても肉感的で、指先の作りなども素晴しく、珍しい木製の首飾りもいいですね。何度も何度も往復して見たくなる、そんな魅力があります。
吉祥天女像の特別開帳は元日~1月15日、3月21日~5月20日、10月1日~11月30日と、
お正月、春、秋に特別開帳されます。
紅葉や桜などに合わせて訪問できます。
浄瑠璃寺の吉祥天女像
吉祥天女は豊かな暮らしと平和を授ける幸福の女神です。
数多くの吉祥天女像の中でも、浄瑠璃寺の吉祥天女像は生身の女性のような美しさといわれファンが多いです。
この像を安置している厨子の扉絵も、正面扉内側に梵天、帝釈天、左右扉内側には四天王、後壁の羽目板には弁才天のほか四尊像が描かれています。
吉祥天女像の制作背景など詳しいことは、よくわかっていません。が、快慶策という説もあるようです。
一度は見たい、日本の秘仏5選
ちなみに、以前の『旅の手帖』で紹介されていた、「一度は見たい日本の秘仏5選」は
浄瑠璃寺の吉祥天女像以外では、
奈良から他に2つ選ばれています。
- 12/16に一年に一日だけ公開される東大寺法華堂の執金剛神立像
- 吉野山の金峯山寺の蔵王権現立像
他には
- 滋賀県甲賀市の轢野寺の十一面観音さま
- 大阪府河内長野市の観心寺の如意輪観音さま
でした。
浄瑠璃寺の特別公開
浄瑠璃寺で特別公開される仏像には
吉祥天女立像、薬師如来坐像(重文・一木造・藤原時代)、大日如来坐像があります。
吉祥天女立像はお正月、春、秋に特別公開されますが
それぞれ、特別公開されるのは別々です。
三重塔特別開扉
薬師如来像は毎月8日と正月3が日、春分・秋分の日限定の公開。※晴天時のみ
大日如来特別開扉
山門の右脇に建つ灌頂堂で、秘仏の大日如来坐像は、1月8日~10日に公開。
浄瑠璃寺の特別公開がすべてオープンの時
見ていただいたらわかるように、
1月8日はすべて公開されます。
さらに、1月8日は初薬師新春緩々会が11:00~15:00地蔵院にて行われており、法会参列希望の方は会費1,000円(50名まで)で参加できるようです。
浄瑠璃寺の国宝
浄瑠璃寺には、最初にご紹介したように、
- 浄瑠璃寺本堂
- 浄瑠璃寺三重塔
- 九体阿弥陀如来像
- 四天王像
と、国宝だけあげても、これだけあります。
それ以外の仏像のラインナップも吉祥天女像はじめ素晴しいです。
浄瑠璃寺本堂
浄瑠璃寺の本堂「九体阿弥陀堂」。
九体阿弥陀堂の建立は創建から60年後の嘉承2年(1107年)。
本堂は横に長く九体の阿弥陀如来(国宝)を安置しています。九体の阿弥陀如来は常時公開されています。
1つの堂に9体もの阿弥陀如来像を安置するという発想は「九品往生」(くほんおうじょう)思想に由来するそうです。ちなみに九体の阿弥陀様に合わせて、板扉も9つになっています。
吉祥天女像(特別開帳時のみ)、四天王像(国宝)など、素晴しい仏像をゆったりと祀ってあります。
浄瑠璃寺の三重塔
「宝池」を中央に挟んで、九体阿弥陀堂の向かいに建つのが国宝の「三重塔」。
三重塔には「薬師如来像(重文・秘仏)」が祀られていて、東方の浄土(浄瑠璃浄土)を守っているのだとか。
三重塔は、藤原時代のもので、京都一条大宮から移築されたものなのだとか。元はどこの寺院のものだったかは不明。薬師如来像は秘仏で、毎月8日・彼岸の中日・正月三ヶ日のみの公開です
九体阿弥陀如来像
本堂内に横一列に安置されている9体の像。中尊は像高224.5cm、残り8体は像高140cm前後。
九体阿弥陀は非常に珍しく、平安時代のもので9体揃っているのは浄瑠璃寺の九体阿弥陀如来像のみだそうです。
九体阿弥陀は極楽往生の9通りの道筋を表し、それぞれ手印が異なります。
※ここ数年は常に2体ずつ修理のため不在です。
四天王像
国宝の四天王像は藤原時代。
残念ながら浄瑠璃寺本堂の四天王像は4躰揃っていません。
多聞天像は京都国立博物館に、広目天像は東京国立博物館に寄託されて、持国天、増長天がこのお堂の南隅に縦に並ぶようにして安置されています。
浄瑠璃寺から岩船寺へ
浄瑠璃寺から岩船寺へと向かう道沿い(1km程度)は石仏とお花も豊富です
この当尾地区は石仏が多い一帯で、丁度いい散策コースになっています。
浄瑠璃寺と岩船寺を片道歩く場合は、岩船寺から浄瑠璃寺へと歩く方が下り坂になり、楽です。
浄瑠璃寺の基本情報
京都府木津川市加茂町西小札場40
浄瑠璃寺の拝観料
大人400円、小学生150円
浄瑠璃寺の拝観時間
3月~11月 9:00~17:00
12月~2月 10:00~16:00
年中無休