春の吉野山は下千本から徐々に桜が開花して、中千本、上千本と山全体を見事に彩っていきます。

奥千本は少し離れていて、最近新たに桜が植えられているので、数年後が楽しみです。

吉野山の桜は、日本原産のシロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集しています。

山全体を可憐な山桜が埋め尽くしてゆく美しさに

豊臣秀吉、西行、松尾芭蕉、、、、歴史上の人物たちも魅了されてきました。

お花見の起源も、嵯峨天皇が吉野山の桜を御所ないの南殿に移して、桜を愛でたのが始まりだそうです

嵐山の桜も亀山上皇の命で吉野山の嵐山の桜を移し植られ、地名も嵐山とされたり、

吉野山の地名のほおづき尾から保津峡と名付けられたそうです。

吉野山といえば、山全体の一目千本がおすすめスポットですが、お寺や神社の桜もおすすめなので、おすすめポイントとルートをご紹介します。

吉野山の桜のルートと見頃のポイントは  ライブカメラでチェック

吉野山の桜の見頃2018

2017年の見頃は例年より少し遅く
下千本:開花日=4月7日 見ごろ=4月11日~17日
中千本:開花日=4月8日 見ごろ=4月12日~18日
上千本:開花日=4月11日 見ごろ=4月15日~19日
奥千本:開花日=4月16日 見ごろ=4月20日~25日
でした。が、天候によっては、1週間ほど早い年もあります。

吉野山には2箇所ライブカメラがありますので、お近くの方は
吉野山上千本から望む吉野桜と町並みと金峯山寺境内の蔵王堂のライブカメラでチェックもできます。

吉野山の桜をライブカメラでチェック

吉野山上千本から望む吉野桜と町並み⇨http://www.sizenken.biodic.go.jp/view_dsp.php?camera_no=122
上千本からの桜の開花状況がチェックされます。

こちらのライブカメラは環境省自然環境局 生物多様性センターのインターネット自然研究所ライブ画像で、
吉野以外にも、全国の国立公園等に設置されていて、京都御苑(九條家の遺構・拾翠亭)もあります。

蔵王堂ライブカメラ⇨http://www.kinpusen.or.jp/livecamera.html
国宝に指定されてる蔵王堂(本堂)境内の様子をリアルタイムで見ることができます。
蔵王堂と護摩壇をライブで中継しているので、
蔵王堂前でのコンサートや御宝前護摩壇での採灯大護摩供などの様子も見ることができます。
残念ながら、蔵王堂の正面にある四本の桜の様子は写っていません。

吉野山の桜のルートと見頃のポイントは

下千本の桜

橋屋にある行者堂から吉野神宮につづく古道と吉野神宮から下千本観光駐車場へと続く県道の両側にあった桜並木。尾根筋に沿って桜並木が続いていた。長峰の桜と呼ばれていたようです。
今も吉野神宮駅の近くの桜のトンネルはなかなかの迫力です。
吉野神宮駅からすぐです。

下千本の一番の見所は、吉野山下千本観光駐車場や昭憲皇太后御野立跡付近から一望できる桜。
京都「保津峡」の由来となった「ほおづき尾」と呼ばれる山の桜や、七曲り坂の桜、嵐山の桜です。
吉野駅周辺 ほおづき尾の麓の桜群を桜田と呼びます。

嵐山の桜

下千本観光駐車場東側にある山を嵐山と呼び、このあたりの桜を嵐山の桜といいます。
亀山上皇は、嵯峨に離宮を造営されたとき、吉野山の桜を洛西の地に移植され、吉野の嵐山に模して嵐山の名をつけられた。

七曲り坂の桜

下千本観光駐車場から七曲り坂にかけて、天文7(1538)年に大阪の豪商、末吉勘兵衛という人が1万本の桜の木を寄進したという記録がある。
すぐ横には吉野山ケーブル(ロープウェイ)も通過し花見客を楽しませてくれます。
七曲坂中腹の桜群を亀石桜というようです。

下千本桜

吉野山下千本観光駐車場や昭憲皇太后御野立跡付近から一望できる桜。
京都「保津峡」の由来となった「ほおづき尾」と呼ばれる山の桜や、七曲り坂の桜が見事です。
「これはこれはとばかり花の吉野山」
と安原貞室が詠んだのがこのあたりの桜。
昭憲皇太后は明治天皇のお妃です

関屋の桜

ロープウェイ山上駅から黒門付近の桜。かつて黒門は関所とされ、付近の坂道を関屋坂といいます。
昭和初年頃まで老桜があり、このあたりの桜は関屋の桜と呼ばれたそうです。

吉野山・金峯山寺への総門で、昔は公家、大名といえども馬や駕籠から降り、槍を伏せて通った。
金峰山は吉野山から大峰山に至る峰続を指し、修験道関係の寺院塔頭が軒を連ねていた。それらの総門が黒門

御車返し(幣掛神社)

大輪の一重と花弁6~8枚の花が同時に咲く。色は淡い紅色。別名ヒトエヤエ(一重八重)という。
幣掛桜=学名:御車返し
一重と八重が交じる風情はやはり御車返しと同じですね。
吉野山の桜の多くはシロヤマザクラ(自然の桜)ですが、この幣掛桜は吉野山では珍しい品種で、御車返しといい、一重と八重の花が混ざって咲きます。
御車返しの名は、江戸時代に後水尾天皇が,この桜のあまりの美しさに乗っていた牛車をわざわざ引き返してご覧になった故事に由来しています。
他の山桜よりも遅く咲くので下千本の桜が散る頃ちょうど見ごろを迎えます。

中千本の桜

吉野山の中腹にあたり、やはり吉野山の中心、金峯山寺蔵王堂の特別公開はできれば見ていただきたいです。

中千本の桜の一番のお勧めはやっぱり吉水神社から観る「一目千本」

秀吉の花見でも本陣となったのもここ吉水神社です。 南朝の古文書や武具、秀吉の花見に使われた楽器などもあります。
蔵王堂から吉水神社へ向かう途中にある東南院の多宝塔とシダレザクラもおすすめです。

私の一押しは、太平記ゆかりのお寺「如意輪寺」
如意輪寺から見下ろす対面の山桜です周辺の桜も見逃せません。

有料の庭園内にある、春限定オープンの花見座敷からの中千本は絶景です。

では中千本の桜スポットを個別に見ていきましょう。

四本桜(金峯山寺蔵王堂)

金峯山寺は吉野山のシンボルであり、修験道の総本山です。
蔵王堂は東大寺大仏殿に次ぐ木造大建築。

重文の蔵王権現像3体がまつられ、本尊は高さ7mにもおよびます。

蔵王堂の正面にある四本の桜。元弘3(1333)年北条方に攻められた大塔宮護良親王(後醍醐天皇の第3皇子)は、吉野城落城寸前にこの桜の前で最後の酒宴をしたといわれる。

妙法院

南北朝時代に皇居が建てられていた歴史的な場所
蔵王堂のすぐ西側にある三重の塔
塔と桜のコンビネーションが絵になります。

東南院

大峰山の持護院である東南院
多宝塔があり、すぐ傍には可憐な枝垂れ桜が寄り添うように一本咲いています。
三月の終わり頃から4月初めにかけて。
境内立入り無料

如意輪寺

楠木正行が本堂の扉に「辞世の句」を 刻んだ逸話が有名。
敷地内には後醍醐天皇陵もあります。
有料の庭園内では綺麗な枝垂れ桜で多宝塔との景色は見事です。
枝垂れ桜は、三月終わり頃から4月初め頃が見頃。
如意輪寺の拝観時間は桜の時期は7時から17時
境内は立ち入り無料。庭園は500円。

勝手桜(勝手神社)

中千本の勝手神社裏にある高さ10mもの老桜。
勝手神社は、全国28社の勝手神社の総本社で、源義経の恋人静御前 が社前で舞を舞った場所として有名です。
残念ながら、平成13年(2001年)に不審火により焼失し、現在、本殿再建のための寄付金が募られています。

上千本の桜

急な坂道でハイキングの服装じゃないと大変ですが、眺めは抜群で吉野の桜風景を満喫できるエリアです。

しだれ桜の綺麗な、水分神社から下のエリアになります。

特にお勧めなのは花矢倉展望台から観る桜風景ですが、下っていく道すがらの桜吹雪は最高です。

桜本坊 夢見桜

大峰山の持護院の一つ
大海人皇子(天武天皇)が夢に見た桜。冬の夜に桜花爛漫の夢を見、翌朝起きてみると吉野山でこの桜1本だけが咲いており、これは吉兆と占い、その後壬申の乱に勝利した天武天皇が、この桜木の下に寺を建てて桜本坊とした。
天武・持統帝の勅願寺
平成30年4月7日(土)~17日(火)白鳳時代の金銅仏の釈迦如来坐像が特別公開
鎌倉時代の「役行者神変大菩薩(重文)」や、
縁の深い「天武天皇像」
天狗姿の「秋葉大天狗像」
など

竹林院群芳園奥の庭 天人桜

聖徳太子の創建と伝えられる竹林院
群芳園は回遊式庭園で、大和三庭園のひとつに数え入れられる名園です。
秀吉の花見の際に千利休が作庭し、細川幽斎が改修したそうです。
竹林院奥庭の「天人の桜」はヤマザクラより1週間ほど早く満開になります。
シダレザクラやソメイヨシノの幽玄な美しさは息をのむほどです。

相叶の桜・五郎兵衛茶屋

観光車道から、中千本駐車場の手前の参陵トンネルの上を相叶といい。
ここも桜の名所です。ここから見る中千本・上千本も見事です。

相叶から五郎兵衛茶屋に続きます。この辺りの桜群も見事です。

滝桜

中千本駐車場から参陵トンネルを抜けると、眼前に見えてくるのは「滝桜」と呼ばれる桜の群生地。まるで谷下から桜の大滝を見上げているかのような、すごい光景が広がります。上千本の桜を見上げる形になります。

布引桜

上千本、天王橋から猿引坂にかけての左右にある桜並木。春の花盛りになると、あたかも布を敷きつめたように桜の花が咲き誇ることからこの名がついた。

雲井の桜

獅子尾坂を登りつめた所にあったそうですが、昭和30年代に台風により倒れたそうです。
後醍醐天皇の「ここにても雲井の桜吹きにけり 誰かりそめの宿と思ふに」の句が残っています。

吉野山の桜のルートをチェック

吉野山は下千本から、中千本、上千本と山全体を見事に彩っていきます。

奥千本はこの後になりますし、山一面からは少し外れています。

駐車場はこの時期どこに停めても1500円なので
観光車道の如意輪寺観光駐車場がおすすめです。

吉野山の桜のルートを最後にチェックしていきましょう。

中千本・上千本が見頃の場合

中千本・上千本が見頃の時期はやはり上千本からの眺めが一番です。
土日は電車が確実ですが、平日は朝早ければ車でもいけます。
ただ、平日でも朝から交通規制がありますので、上千本の景色を車で見るには、8時までに見終わる時間がおすすめです。
細い山の道なので、観光客が増える時間を避けましょう。
夜のライトアップもありますが、道を知っている方は良いですが、初めての方が車で行かれる場合はくれぐれもご注意ください。

平日で、朝早く吉野に来られる場合のおすすめは
まず、上千本の花矢倉展望台を目指し、上千本まで上がり、上千本からの眺めを楽しみ、観光車道にある如意輪寺観光駐車場に車を停車し(1500円)、如意輪寺のしだれ桜と中千本の景色をゆっくり楽しむ。
正直、これだけでも十分満喫できます。
如意輪寺から観光車道を中千本公園の方に歩いていくと、滝桜を間近に見れます。
さらに進むと
相叶の桜、五郎兵衛茶屋の桜を見て、竹林院群芳園奥の庭・桜本坊を楽しみ、宮坂を下り、勝手神社からお土産物屋さんや旅館が続く道を歩いていくと、吉水神社へ下る坂があります。
吉水神社から一目千本、再び、先ほどの道に戻ってきたら、
東南院、さらに進むと蔵王堂です。
蔵王堂と妙法院
吉水神社に戻って、ささやきの小径から如意輪寺に戻り、車に

もし元気なら、さらに蔵王堂と妙法院の後下千本から吉野駅へ下りて、吉野駅からのバスで如意輪寺前まで上がってくることもできます。※結構大変なので、普通の方にはあまりおすすめできません^^

また、上千本が見頃なら、
如意輪寺からバスに乗って中千本公園駐車場へ(人が多いと、バスに乗れない場合もあります)行くこともできます。

中千本公園駐車場から階段を上がり、奥千本行きのバスに乗り、奥千本から上千本を下りてくるのも良いですね。

下千本が見頃の場合

如意輪寺からバスに乗って中千本公園駐車場へそこから歩いて、中千本・下千本へ下りていき、吉野駅からバスで如意輪寺駐車場まで戻ってきます。

また、あまり歩きたくない方は、バスで吉野駅まで行き、ロープウエイで下千本のお花見スポットを楽しみ、再び吉野駅からバスで如意輪寺駐車場まで戻ってきます。

最後に、吉野山の桜からは少し離れていますが、吉野神宮の戸開け桜もおすすめスポットです。

戸開け桜 吉野神宮

吉野神宮の桜は、遅咲き種の桜で通称「戸開け桜」と呼ばれます。

名前の由来は大峰山の戸開け(山開き) が毎年5月3日で、その頃に咲く桜という事からです。
現在では開花の時期が早目になってきていますが、新緑と桜が楽しめます。