東大寺の守護神として知られる手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)。
手向山は紅葉の名所として知られ、その麓に手向山八幡宮が鎮座しています。
お水取りで有名な二月堂や三月堂の近くになります。
春日大社の方から若草山の登山口の前を通り、二月堂を目指して、歩いてくると手向山八幡宮に。
手向山(たむけやま)と聞いて、ピンとくるように
『このたびは 幣(ぬさ)もとりあえず 手向山 もみじのにしき 神のまにまに』
と菅原道真が読んだ歌が百人一首にあります。
手向山八幡宮はそんな百人一種の世界に浸りながら、参道や本殿など紅葉のコントラストが風情を感じさせてくれます。
北門のイチョウの大木で、赤と黄色のコントラストも見事です。
近鉄奈良駅から、歩いて30分ほどで、百人一首の紅葉がこんなに身近に楽しめるんです。近くの2月堂への裏参道、2月堂の舞台からの奈良の景色や、春日大社の水谷神社とこのあたりの紅葉は本当におすすめです。
手向山八幡宮の紅葉は百人一首の世界 見ごろやアクセスは
手向山八幡宮の紅葉の見ごろは
手向山八幡宮付近は一年中静かで、四季の花散歩や秋の紅葉散歩に最適な場所です。
手向山八幡宮の紅葉は11月中旬に色づき始め、見ごろは11月下旬~12月上旬です
秋の手向山八幡宮の紅葉は、社殿を赤く染めます。
手向山八幡宮のイロハモミジの紅葉の見ごろは年によって異なるようですが、11月下旬の頃が多いようです。
更に、手向山八幡宮の紅葉がおすすめなのは、銀杏と紅葉の競演です。
本殿を正面にして左手に行くと、思わず見上げてしまうほどの立派な大銀杏がそびえ立っています。
東大寺二月堂方面からの参道の門が大銀杏の下にあり、
木造の門の風合い・門の外にあるもみじ・門越しに見える大銀杏なんとも絵になる風景です。
手向山八幡宮の紅葉は百人一首にも
あの、菅原道真が読んだ歌
『このたびは 幣(ぬさ)もとりあえず 手向山 もみじのにしき 神のまにまに』
このたびの旅は急なお出掛けのため、お供えの幣帛の用意も出来ておりません。とりあえず、この手向山の美しい紅葉の錦を幣帛として神よ、御心のままにお受け取り下さい。
といった意味です。
幣は色とりどりの木綿や錦、紙を細かく切ったもの。
旅の途中で道祖神にお参りするときに捧げるものです。
手向山八幡宮の朱色の鳥居の奥に、管公腰掛石とこの句の歌碑が佇みます。
手向山八幡宮って
東大寺建立に際し、宇佐八幡を守護神として創建された。
749年、東大寺の守護神として、大分県の宇佐八幡にお願いして来てもらったのが手向山八幡宮のはじまり。1250年(建長2年)に北条時頼が手向山麓に移す形で再建され、これが現在見ることのできる手向山八幡宮の姿
宝庫(重要文化財)は東大寺から移築された校倉造の建築物。社宝に唐鞍(国宝)、舞楽面(重要文化財)などがある。
手向山八幡宮は1932年(昭和7年)に国の史跡名勝天然記念物の指定を受けています。
拝観時間:7:00~16:30
・9月 07:30~17:30
・10月 07:30~17:00
・11月 08:00~16:30
拝観料 無料
奈良市雑司町434
手向山八幡宮へのアクセスは
東大寺の大仏殿前の道を、大仏殿に向かって右側、東の方へ歩いていくと鳥居が見えてきます。鳥居の手前を左へ上がって行くと東大寺の二月堂・三月堂へ行きます。
手向山八幡宮の境内を横切って、若草山麓へそして、春日大社の水谷茶屋のあたりも見事な紅葉です。水谷茶屋の瓦葺と紅葉が何とも言えません。
近鉄奈良駅から徒歩30分
最寄り駅からの交通
JR・近鉄 奈良駅
市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車 徒歩約15分
本数は少ないですが、春日大社本殿前からも、徒歩10分強です。
手向山八幡宮の見どころ
手向山八幡宮には紅葉以外にも見どころはたくさんあります。
紅葉、手向山八幡宮社殿、住吉社本殿(鎌倉時代:重文)、石灯籠、鳩の模様之図、狛犬・・・絵馬も人気です。
狛犬
北側の鳥居には大正時代の狛犬がいます。
神殿狛犬は、運慶の作の木製の狛犬重文だそうです。
阿形獅子・吽形狛犬の狛犬
若宮にも木造の狛犬
と、狛犬の宝庫なんです。
さらにさらに、手水舎まで狛犬です。
しっかりチェックしてみてくださいね。
手向山八幡宮の石灯籠
手向山八幡宮の石燈籠は神道の燈籠の元となる手向山燈籠と言われているそう。
鳩の模様之図
源頼光鬼退治の絵
神楽所にあるちょっとわかりにくいですが源頼光鬼退治の絵
手向山八幡宮の絵馬
絵馬は2種類。
一つは向かい鳩をデザインしたもの。
向かい合う鳩の間が赤いハートマークになっていてかわいいです。
もう一つはこちら、
向かい鳩の絵馬のように絵馬掛けにつるすのではなく、立てて奉納する絵馬で、絵馬の原型ともいわれています。
手向山八幡宮の御朱印
八幡宮の八の字が2羽の鳩が向かい合う形になっている御朱印がいただけます。
この「向かい鳩」は手向山八幡宮のご神紋。
初穂料は300円。
手向山八幡宮社殿
住吉社本殿
一間社流造・鎌倉時代(重要文化財)
手向山八幡宮宝庫(神宝殿)
東大寺鎮守神として長らく歴史を歩んできた「手向山八幡宮」の社殿の西側に建つ校倉造りの宝庫です。
北側すぐの位置にある「東大寺法華堂経庫」とほぼ同じような様式・建立年代で、奈良時代の創建とも考えられています。
百人一首の紅葉の歌
最後に、百人一首には、手向山の歌以外に5つの紅葉の歌があります。
千早振る神代も聞かず龍田川 唐紅に水括るとは 在原業平
竜田川は、紅葉の名所で、現在の奈良県生駒郡斑鳩町竜田にあります。
⇒竜田川の紅葉についてはこちら
嵐吹く三室の山の紅葉葉は 龍田の川の錦なりけり 能因法師
竜田の川は 大和国(現在の奈良県生駒郡)を流れる川で、三室山の東のふもとを通って大和川に合流します。
竜田川の紅葉は2つも百人一首に選ばれているのですね。
小倉山峰の紅葉葉心あらば 今一度の行幸待たなむ 藤原忠平
京都市の北西にある、右京区嵯峨にある紅葉の美しい名所
山川に風の掛けたる柵(しがらみ)は 流れも敢へぬ紅葉なりけり 春道列樹
志賀の山越え、というのは、京都市左京区北白川から、如意が嶽と比叡山の間を通って、近江の志賀へ抜ける山道。
奥山に紅葉(もみじ)踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき 猿丸大夫