光明皇后ゆかりの法華寺は、大和三門跡の一つにかぞえる清楚な尼寺です。国宝の本尊十一面観音と光明皇后ゆかりの浴室があります。5月には名園とされる庭園のカキツバタも美しいです。

法華寺の仏像といえば、教科書にも載っている、国宝の十一面観音立像は見たら、誰でも、これ知ってると思われるのではないでしょうか?

なんでも、十一面観音は、美人の誉れ高い光明皇后が蓮池を散歩する様子を写したものだとか・・
光明皇后は皇族以外からの初めての妃となった方です。

法華寺は、もともと藤原不比等の屋敷のあったところにあります。

お父さん不比等を敬愛していたことも有名で、不比等亡きあと邸宅跡は不比等の娘光明皇后の皇后宮職となり、不比等没後25年に官寺に改められました。

本堂・南門・鐘楼(いずれも重要文化財)は豊臣秀頼、淀君によって、慶長6(1601)年に再建されたそうです。

法華寺は十一面観音やお守り犬 浴室 庭園もおすすめ アクセスは

天平時代に創建された法華寺は代々、皇族や貴族出身者が門跡を務めてきた尼寺です。
2013年に誕生した、樋口教香住職が初めて一般出身の住職なんだそうです。

法華寺は海龍王寺・不退寺と共に、佐保寺三観音でお花も含めて魅力的な寺です。
法華寺のおすすめポイント、見どころをご紹介します。

法華寺 十一面観音

法華寺のご本尊、木造十一面観音菩薩立像(国宝)は、絶世の美女で慈悲深かった光明皇后のお姿を彫り上げたと伝えられています。色気を感じる平安初期の仏像で、長い右手や動きのあるポーズ、特徴的な蓮華光背など、仏教彫刻としても優れているとされます。

十一面観音菩薩立像は春と秋に特別開扉されます。
2019年の春は
3月20日 ~ 4月7日
(9:00~17:00(受付~16:30))
4月1日~4月7日までは、ひな会式が開催されています。

2018年の秋は10月25日 ~ 11月12日 に公開されました。

法華寺 お守り犬

法華寺の人気のアイテムに、お守り犬があります。
一千座の護摩供養を行い、その灰を清浄な山土に混ぜて、光明皇后自らつくられたとされます。
今でも、尼僧により勤行の合間や深夜などに、真心を込めて作られています。
完成後は、本尊の国宝「十一面観音」に奉り、祈禱したうえで授与されるというありがたさで、直接寺に参拝をした方にのみ授けられてきたものです。

300円(約3㎝)

法華寺 浴室

法華寺には、浴室と呼ばれるお風呂が現存しています。

浴室(からふろ)(今で言うサウナ)は現在でも法華寺各会の会員の方のみ施浴体験が行われているそうです。

法華寺 浴室は、1250年以上前、病気の方や困っている方の為に施浴はおこなわれました。光明皇后の時代に、一般の民衆のために行われたこの行為は、現在の社会福祉の原点とも言える行いです。光明皇后が千人の垢を自ら流されたとの伝説があり、現在の建物は江戸時代(明和3年)のものといわれています。

現在の建物は、室町時代後期に改築され、その後、江戸・明治期に幾度か修理を重ね、この間一般庶民の施浴施設として、大正年間には正月の節会、6月の光明皇后御忌には必ず焚かれていたそうですが昭和になり傷みが進み台風により竃も潰れて使用出来なくなりました。

平成17年に解体修理が行われ80年ぶりに竃に火が灯されました。今では毎年1回6月に施浴体験日を設けて、法華寺信者の方に開放されています。

※施浴体験には別途5000円が必要です。
30分の施浴体験の後は、光月亭で冷茶とスイカをいただけるそうです。

法華寺 庭園

法華寺には庭園が2か所あります。

名勝庭園と華楽園

名勝庭園

名勝庭園は元禄ごろの作庭。仙洞御所から石や庭樹や燕子花等が移された庭と伝わっている県指定文化財

白砂の後ろに池を設けた小さいが気品のただよう庭で、5月頃には池中いっぱいに燕子花が咲き乱れる。

4月1日~6月10日の期間のみ公開。

華楽園

華楽園は先代の久我高照門跡が造り上げた法華寺境内の東側一帯に設けられている広々とした庭園で通年開園しています。

100本の椿や法華寺蓮(ほっけじはす)をはじめ約750種の草花が咲き誇るため年間を通して楽しめます。

法華寺蓮は例年6月中旬~7月中旬まで咲き、大輪系の白い花びらの縁に紅をさしたような縁取りがあるのが特徴でとても美しい蓮の花です。

横笛堂

重源や叡尊上人が復興に尽力した鎌倉時代に建立されたもので、法華寺の現在の伽藍においては最古の建造物。

横笛は、建礼門院の雑仕女として登場し、滝口入道(斎藤時頼)との悲恋を繰り広げた人物で、尼となった後に居住していた建物。

法華寺 のアクセスと駐車場

車でのアクセス

大阪方面より
阪奈道路より二条大路南1を北(左)折、次の信号を左折、突き当りを左折し次の突き当りを右折すぐ右手に駐車場
京都方面より
京奈和道路(24号線)にて法華寺東交差点を西(右)に曲がる(一条高校が目印)次の信号を直進、突き当りを右折、右手すぐに駐車場
西名阪天理インターより
24号線を北進、菰川南詰交差点(奈良ロイヤルホテルが目印)を北(左)に曲がり突き当りを左折、次の突き当りを右折、すぐ右手に駐車場

駐車場

普通車約50台、大型バスも駐車可能、駐車料金は拝観者の方は無料

電車でのアクセス

近鉄⇒バス
近鉄奈良駅下車 高天交差点北西の乗り場より乗車、奈良交通西大寺駅行き(自衛隊経由)に乗車 法華寺下車徒歩3分
近鉄大和西大寺駅下車 北口バス乗り場より近鉄奈良駅行き(自衛隊経由)に乗車 法華寺下車徒歩3分
JR⇒バス
JR奈良駅下車 奈良交通西大寺駅行き(自衛隊経由)に乗車 法華寺下車徒歩3分

徒歩
近鉄新大宮駅下車徒歩20分

拝観時間

9:00(開門)~17:00(閉門)
受付16:30頃まで

拝観料

本堂 本堂
(御本尊御開帳)
華楽園
大人 500円 700円 300円
中学生 300円 500円 200円
小学生 200円 300円 100円
身障者 250円 350円 150円

料金 本堂・華楽園共通券/大人1000円、中学生700円、小学生400円

佐保寺三観音お花も含めて魅力的です。

佐保寺三観音を拝観に行くには4月1日~4月7日がおすすめですね

大和三門跡の一つとは

門跡とは、平安時代宇多天皇が僧となって京都御室の仁和寺に住み,この寺を御門跡と呼ぶようになった。それ以来法親王の住む寺院を門跡と称し,最高の寺格を示す称号となった

聖徳太子ゆかりの中宮寺(生駒郡斑鳩町。大和国平群郡。「斑鳩御所」)

華道「山村御流」の家元としても知られている円照寺(奈良市。大和国添上郡。「山村御所」「八嶋御所」)

そして、光明皇后ゆかりの法華寺。総国分尼寺。(奈良市。大和国添下郡。「氷室御所」)